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ホワイトハウス,FCCの新委員2人を指名

オバマ大統領は11月1日,5つのうち1つが空席,もう1つが年内に退任することになっているFCC(連邦通信委員会)委員のポストに,新しい候補者2人を指名し,連邦議会上院に送った。

FCCでは現在の民主党3,共和党2の委員構成のうち,共和党委員1人が2011年夏にすでに退任し,民主党委員1人も2011年一杯で退任することになっている。新しく指名されたのは,ジェシカ・ローゼンウォーセル氏(民主)と,アジ・パイ氏(共和)。ローゼンウォーセル氏は,1999年から2007年までFCCに勤務し,今回退任するコップス委員のアドバイザーなどを務めた。その後,議会上院の通信・テクノロジー・インターネット小委員会の上級顧問や民主党ロックフェラー上院議員の通信政策アドバイザーを経て,今回古巣に戻り,かつての上司コップス氏の後を引き継ぐ。パイ氏もFCCや連邦議会の委員会などで法律顧問を務め,一度民間の法律事務所に出たが,再びFCCに戻ることになった。

現在FCCは,デジタル化で空いた周波数帯域をブロードバンド用に利用するため関係する業界の間で難しい調整を行っている。そのほか,周波数オークションの実施,再送信やメディア所有規制の規則変更などの懸案をかかえており,放送・通信に精通した人材が加わり5人の委員が揃うことを関係業界は歓迎している。

新しいFCC委員候補の2人はこのあと,公聴会で質疑応答を行った後,議会上院の承認を経て正式に任命されるが,大きな問題もなく承認されるものと見られている。

柴田 厚