メディアフォーカス

アメリカの番組配信サービス Hulu(フールー)が日本進出

アメリカで人気を集めている映像配信サービス「Hulu」が,9月1日,日本でサービスを開始した。国外へは初めての進出で,月定額1,480円(税込)で数百本のハリウッド映画と数千本の海外ドラマなど(開始当初)が視聴できる。

Huluは,2008年3月にアメリカで始められたサービスで,NBCユニバーサルとニューズ・コーポレーション,ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー等が出資し,NBC,FOX,ABCなどの米ネットワーク番組やハリウッド映画をVOD配信している。

アメリカでは,PC向けの画質を落とした無料サービス「Hulu」と,ネット接続TVやスマートフォンなどその他の端末でも視聴できる高画質の有料サービス「Hulu Plus」があり,どちらも広告が付けられている。

それに対して日本でのサービスは広告が無く,有料サービスのみで,多彩な端末で視聴できる「Plus」に近い内容である。また,アメリカ版では見られないCBSのコンテンツが見られるなど,いくつかの違いがある。携帯回線からの利用については,NTTドコモと独占的マーケティングパートナーシップを締結している。公式ブログでは,「近く日本やアジア地域のコンテンツを取り揃え,コンテンツを強化」するとしており,今後日本のテレビ番組が視聴可能となる可能性もある。

アメリカの映像配信最大手ネットフリックスが南米に進出するなど,VOD事業者の海外進出が活発化しているのに対して,日本国内では民放各社の共同サービスが発表されるなど,テレビ番組のネット配信を巡る世界的な競争が激しさを増している。

小川浩司