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仏公共放送,スマートフォン向けにサイマル,キャッチアップサービス開始

フランスの公共放送フランステレビジョンは4月7日,iPhoneやiPad向けのアプリケーションを立ち上げ,放送番組のキャッチアップ(見逃し番組)サービスやサイマル(同時)ストリーミングサービスを開始した。

フランステレビジョンによると,サイマルサービスでは,F2,F3,F4,F5,それにRFOのフランステレビジョンの5つのチャンネルすべてで,著作権上の問題があるものを除くニュース,スポーツ,ドラマなどあらゆるジャンルの番組について,放送と同時の受信がiPhoneやiPadで可能となる。

またキャッチアップサービスでは,放送から7日間までの番組について無料でアクセスでき,利用者は番組表や料理番組のレシピなどといった番組情報を,Facebookやツイッターなどのソーシャルネットワークを通じて送信することもできる。

フランステレビジョンは,去年8月に就任したフリムラン新会長のもとで,ニューメディアへの展開を中核業務の1つと位置づけており,フリムラン会長は「公共放送の使命が,できるだけ多くの人にサービスを提供し,独立した報道をし,文化作品を世に広めるということであるなら,デジタル市場への進出は当然のことで,軌道に乗れば積極的に商業活動も行いたい」と話している。

フランステレビジョンは,放送とインターネットの融合したいわゆるコネクトテレビで,仏独が共同で開発し,ヨーロッパ共通規格に採用されているHbbTV(Hybrid broadcast broadband TV)に対する配信サービスもまもなく開始する予定である。

新田哲郎