メディアフォーカス

「はじめまして,ラジオです。」NHKと民放が初の共同キャンペーン

NHKと民放連が2011年2月2日,初のラジオ共同キャンペーンを行うと発表した。

若者のラジオ離れがすすみ,ラジオ民放局は苦しい経営を強いられている。民放連の調査では,ラジオの営業収入は09 年度に前年度に比して10%低下し,10 年度も5%の減収が見込まれている。こうした危機的な状況を打開するために,NHKと民放連は2010 年2月に「音声メディアの将来に関する意見交換会」を発足させ,半年間の議論の結果,若者を中心とするラジオ離れ対策と端末普及を含む受信環境の整備を喫緊の課題として取り組むことを確認した。

今回の共同キャンペーンは,その具体化として実施されるもので,「はじめまして,ラジオです。」と名づけられ,ラジオを聴いたことがない若者や,ラジオそのものを知らない若者に,ラジオの魅力を訴える。NHKと参加する民放ラジオ局100 社の放送とウェブによるキャンペーンを展開し,11年5月15日に東京渋谷のNHK構内と渋谷の街中を会場として,イベントを開催することにしている。高校生による番組制作やイベントの企画,ラジオの魅力・面白さ・使命をわかりやすく体験できるブースの出展などが検討されている。

民放連の調査によれば,若者のラジオメディアへの接触は年々減少しており,10 代と20 代でラジオを聴いたことがない若者が40%に上っている県もあるという。イギリスの5%,アメリカの1%と比べて,極めて高い数字であり,ラジオ強化策は放送界の大きな課題となっている。

奥田良胤