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韓国,KBS が受信料値上げ案を提示

KBS執行部は6月14日,テレビ放送受信料に関する公聴会を開き,3種類の値上げ案を提示し た。各案は,1981年から据え置かれている月額2, 500ウォン(約180円)の受信料について,

①4,600ウォン(約340円)に値上げし,現在財源のおよそ半分を占めているKBS2 の広告収入比率を19.7%に下げる案, ②5,200ウォン(約380円)に値上げし,同広告収入比率を12.3%とする案, ③6,500ウォン(約470円)に値上げし,広告を廃止する案, となっている。 同時に,現行の受信料のままでは,2014年までに6,814億ウォン(約500億円)の純損失が生じるとの予測も示した。これに対して,受信料値上げに反対する市民団体からは,「国民の関心がサッカーのワールドカップに注がれている間に受信料の値上げを進めるのは,やり方として不適切である」などと訴え,KBSの対応を非難した。

受信料値上げ案の提示に先立ち,執行部は同月7日に記者会見を行い,2014年までに全職員の5分の1に当たる1,100人を削減することを盛り込んだ大規模組織改編案を発表した。この中で,職員の削減により人件費の割合を全予算の37%から30%にまで引き下げることを示すとともに,既存の6本部3センターを視聴者本部,報道本部,コンテンツ本部,ニューメディア・テクノロジー本部,政策企画本部など5本部3センターに再編するとした。こうした組織の改編については,受信料の値上げをにらんだ動きであると受け止められている。

田中則広