メディアフォーカス

民放キー局 10年3月期連結決算 4社が減収,1社が赤字

在京民放5 社の10年3月期の連結決算が2010年5月14日までに明らかになった。不況による広告収入の減少で5社のうちフジ・メディア・ホールディングスを除く4社が前年度より売上高を減らし,TBSホールディングスは税引き後利益が赤字となった。

フジ・メディア・ホールディングスの売上高は5,838億円で前年度より3.6%増えた。フジテレビの売上高は5.9%の減収だったが,グループ全体では連結子会社の増加で売上高を伸ばした。しかし,税引き後利益は74億円で,前期に比べて55%の減益となった。

TBSホールディングスの売上高は3,512億円で前年度より5.7%の減。映画部門は好調だったが,テレビ部門は36億円の赤字。さらに楽天が保有するTBS 株を買取るための仮払金を計上したため,税引き後利益は23億円の赤字で,1995年3月期の連結決算発表開始以降で初の赤字となった。

日本テレビの売上高は2,969億円で前期より8.5%減った。広告収入は減ったが,番組制作費の削減などで税引き後利益は5社最高の165億円であった。

テレビ朝日の売上高は2,302億円で前期より6.9%減った。テレビ部門は減収だったが,番組制作費の削減で利益を確保し,インターネット事業等が好調だったことから税引き後利益は30億円で,前期の赤字から黒字に転換した。

テレビ東京の売上高は1,060億円で前期より11.5%減った。しかし,番組制作費の削減などで税引き後利益は11億円となり,前期の赤字から黒字に転換した。

奥田良胤