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4人に1人が携帯からニュース接触~米調査

インターネットへのワイヤレス接続が一般化するなか,アメリカ人のニュース接触の仕方に大きな変化が生じているという調査結果が発表された。ピューリサーチセンターが18歳以上の成人2,259人を対象に行った電話調査の結果で,3月1日に報告書が発表された。

これによるとノートPCや携帯電話,スマートフォンなどの携帯型端末からワイヤレス接続していると回答した人は53%で,注目されるのは,このうちの 88%がニュースへの接触においても携帯型端末を利用している点である。この結果は,アメリカの成人の約4人に1人にあたる26%が,ワイヤレス接続によるインターネット経由でニュースに接触していることを意味している。内容別では,気象情報(72%),時事ニュース(68%),交通情報(35%),経済情報(32%)などとなっている。

また,こうした傾向は若者層で顕著である。携帯型端末の所有者のあいだでも,50歳以上と以下では大きくニュース接触の割合が異なっている。50歳以下では43%がワイヤレスでニュース接触するとしているのに対して,50歳以上では15%にとどまっている。調査報告書は,ワイヤレス接続でニュース接触をする人々の平均年齢は34歳,白人でその割合が高く,大学卒でフルタイムの職業に就いている人々に多いと特徴づけている。

一方で同報告書は,インターネット経由でのニュース接触の急増が,アメリカ人にとってのニュースを「社会的経験」としてよりも,「個人化・細分化」されたものに変質させつつあることも指摘しており,こうした点も含めて今後の動向が注目される。

米倉 律