メディアフォーカス

英政府,IFNCパイロット3事業者を選定

イギリスの放送を所管する文化メディアスポーツ省のベン・ブラッドショー担当相は3月25日,地域・ローカルニュースを提供する3事業者を公表した。

インターネットの普及やメディア間競争の拡大の影響を受け,国内の地域・ローカルニュース供給の低下が危惧(ぐ)されるなか,政府は昨年(2009年)6月,地上民放最大手のITVが提供してきた地域ニュース枠を埋める新しい地域・ローカルニュースの担い手を公募する計画を発表していた。このパイロット事業は「IFNC:Independently Funded News Consortia」と呼ばれ,スコットランドを含む3 地域を対象に昨秋から選考作業が行われ,その結果,候補者は3地域8事業者に絞られていた。

今回入札に成功したのは,スコットランドが「Scottish News Consortium」(主要新聞グループのJohnston Press,Herald,Times Group,D C Thomsonおよびテレビ番組制作会社のTinopolis),ウールズが「Wales Live」(北アイルランドのチャンネル3免許保有者のUTVと地域メディアのNWM Media Ltd),タインティーズ/ボーダーが「News 3」(Trinity Mirror,Press Associationおよびテレビ番組制作会社のTen Alps)の3社で,ITVのニュースを受託制作してきたITNのコンソーシアは入札に失敗した。

政府は,2010年から2年間のパイロット運営費として,テレビ受信許可料のデジタル余剰金から総額4,700万ポンド(約65億円)を支給する方針で進めているが,野党保守党はこれに強く反対している。

中村美子