メディアフォーカス

韓国,KCC 「2010年業務計画」が明らかに

韓国放送通信委員会(KCC)は12月21日,青瓦台(大統領府)に2010年の業務計画について報告し,放送通信・メディア産業の育成などといった主要議題に取り組む計画を明らかにした。

報告書は,放送分野における新規参入事業者の選定,地上放送の放送時間,放送広告の販売をめぐる問題などについて触れ,2009年のメディア関連法改正による新聞社・大企業の放送事業新規参入に関しては,2010年に新規の総合編成・報道専門チャンネルの事業者を選定するとしている。KCCでは2009 年11月に新規放送事業政策タスクチームを立ち上げ,事業者の選定に当たっている。しかし,利害関係が複雑に絡まっていることから作業は難航しており,報告書も,具体的な内容にまでは踏み込んでいない。

また,地上放送の放送時間に関して,規制緩和による放送事業の自立性拡大をうたっている。KCCは現在,地上放送に対して午前1時から6時までの放送を禁じている。衛星放送やインターネット放送など,多チャンネルによる24時間サービスが行われている現状で,地上放送のみに時間規制を設けることに対する疑問の声の高まりがその背景にある。

さらに,放送広告市場に関しても,2010年6月に複数競争体制に転換することを明示した。韓国では地上放送の広告販売は,政府系の韓国放送広告公社(KOBACO)が独占してきたが,ようやく民間の広告代理店にも参入の道が開かれることになる。

田中則広