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民放キー局,中間決算で各社減益 日本テレビ,テレビ東京は赤字

民放在京キー局5社の9月中間連結決算が2008年11月13日出揃った。

各社の発表によると,フジ・メディア・ホールディングスは売上高2,819億円で前年同期比は微増だったが純益は56億円。前年同期比で45.9%減った。TBSは売上高1,784億円,放送外事業の開業などで12.3%増えたが,純益は46億円。前年同期比で32.3%減った。テレビ朝日は売上高 1,251億円で0.4%増えたが,純益は13億円。50.2%減った。日本テレビは売上高が0.3%減の1,649億円で12億円の赤字となった。テレビ東京は,売上高は597億円で1%増えたものの3億円の赤字となった。

日本テレビ,テレビ東京ともに,株式の上場以降,中間決算での赤字は初めてのことである。

世界的な金融危機の影響で保有している有価証券の評価損などが各社の利益を前年同期比で減少させ,2社が赤字となった。とくに,番組と番組の間に放送する「スポット」CMが不振で,前年同期比の落ち込みは5社の最小で9.6%,最大で11.7%となっている。業種別では,「精密・事務機器」は好調だったが,「食品・飲料」「化粧品」などで落ち込みが顕著だったという。

総務省が11月14日に発表した「通信産業動態調査」でも,2008年第4四半期の民放の売上高見通し,業況見通しはいずれもマイナスとなっている。民放キー局の経営的な厳しさは当面継続すると見られ,各社とも役員報酬のカットや番組制作費の大幅な削減など経費削減を進めている。

奥田良胤