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北京オリンピック 総放送時間は約980時間

2008年8月8日から24日まで開催された北京オリンピックのテレビ総放送時間(閉会式後の総集編等を含む)は,地上放送,衛星放送合わせてNHKが約654時間,民放が約326時間,合わせて980時間だった。

ビデオリサーチの調査による関東地区の地上放送の平均視聴率は,最高が開会式の37.3%(NHK総合),次いで日本が優勝した女子ソフトボールの決勝戦が30.6%(NHK総合),女子マラソンが28.1%(日本テレビ),野球の予選キューバ対日本が27.0%(NHK総合),レスリング女子63キロ級決勝戦が26.0%(NHK総合)などで,総体的に高い視聴率を記録したのはNHK であった。

北京オリンピックの地上波放送のすべての番組の平均視聴率は10.7%(ビデオリサーチ調べ,関東地区)で,前回のアテネオリンピックを0.5ポイント上回った。

北京オリンピックでは,初めてインターネットで動画映像が日本国内に配信された。民放は共同でオリンピック動画サイトを開設してサービスした。NHKもホームページでニュース映像を流し,携帯電話の「ワンセグ」のデータ放送でもオリンピック情報を流すなど,放送と通信が融合する時代となった。

しかし,期間中の番組がオリンピックに偏りすぎているとの批判もあった。北京の日本の放送権料は約198億円。2年後の冬と4年後の夏の放送権料は一括で約325億円。高い放送権料と放送時間のバランスをどう図るか,通信との融合が進むなかで,放送局の工夫が求められることになる。

奥田良胤