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07年度NHK収支予算・事業計画 3年ぶりに増収見込み

NHKは2007年1月17 日,2007年度の収支予算・事業計画案を総務大臣に提出した。それによると,事業収入は6,348億円で,前年度予算比で131億円の増となり,3年ぶりに増収となっている。これは,不祥事で落ち込んでいた受信料収入が回復し始めているためで,受信料収入は対前年度予算比190億円の増収を見込んでいる。

一方事業支出は,番組制作費を増やす一方で人件費などを減らして6,307億円にとどめ,事業収支差金の41億円は債務の償還に当てることにしている。

NHKの受信料に関して政府は2007年1月25日から始まった通常国会に,支払い義務化等を盛り込んだ放送法改正案を提出することにしている。これにともない,菅総務相は1月23日の記者会見で,義務化によって現在70%程度の支払い率が80%から85%程度に上がり1,000億円程度の増収になるとの見通しを示した。そのうえでNHKが業務改革によって200億円程度を節約すれば,20%程度受信料の値下げが可能であるとの考えを示した。

具体的な業務改革については,受信料収納業務の効率化のほか,音楽・スポーツ番組制作の子会社への移行,子会社の整理・統合などを示し,NHKに要請する考えを強調した。

NHKの橋本元一会長は2月1日の記者会見で「義務化による増収効果と収納経費等を総合的に検討し,収支見通しを立てた上で,値下げも視野に入れた還元策を,今年9月末までにまとめる」と述べた。

奥田良胤