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英BBC,受信許可料の値上げが決定

放送を所管する文化メディアスポーツ担当相のテッサ・ジョウエル氏は1月18日,BBCの受信許可料値上げの新方式を発表した。

これは,2007年4月から2013年3月までの6年間の受信料額を決定するもので,この期間受信許可料は次のように値上げされる。2007年度と 2008年度は3%,2009年度,2010年度,2011年度の3年間は2%の値上げを行い,この取り決めの最終年度に当たる2012年度は,改めて検討を加えた上,2%を上限に値上げする。この結果,2007年度の受信許可料額は年額135.50ポンド(約3万2,000円)となり,2012年度には151.50ポンド(約3万5,800円/1ポンド=236円換算)となる。

今回の値上げの根拠には,第1に,イギリスがアナログ放送からデジタル放送への完全移行を行う2012年まで,BBCが移行の推進役となり,アナログ放送終了周知活動や高齢者等へのデジタル支援を行うことがある。第2に,イングランドのマンチェスター周辺に第2放送センターを建設し,子ども番組やラジオ制作など一部の番組制作プロダクションをそっくり移転するというBBCの計画を,政府が地方の産業振興や人材発掘と育成の両面で歓迎しているということがある。この計画は,BBCトラストがすでに承認し,サルフォード(Salford)が移転地として決定している。

BBC は政府に対し,物価上昇率プラス1.8%の値上げを求めていたため,計画の見直しを迫られ,投資の見直し,受信許可料徴収率のアップなど自助努力,資源の組織内再配置などの方法で対応すると述べている。

中村美子