メディアフォーカス

アメリカで増加するネット動画の利用者

アメリカでは,CBS やABC などネットワークによる番組のインターネット配信サービスの本格化にともなって,利用者数が拡大し,広告業界など関係業界から注目を集めている。

アメリカのオンライン・パブリッシャー協会(OPA)が3月29日に発表した調査結果によると,回答者の69%がネット動画の視聴経験があり,「毎日見ている」が5%,「週に一度は見ている」が24%,「月に一度は見ている」が46% であった。ジャンル別では,ニュースを見る人が最も多く,27% の回答者が「週に1回以上見る」としているほか,「コメディ」や「ミュージックビデオ」などの割合も高かった。ネット動画サービスには,有料型や登録型などもあるが,有料型の利用は5% にとどまり,登録型も35% であった。

一方,広告業界が注目するネット動画利用の際の広告視聴の状況については,広告に登場する商品のサイトに「アクセス経験がある」が31%,「商品を購入した経験がある」が8% などとなっていた。

アメリカでは4大テレビネットワークすべてが,ニュースや番組のインターネット配信を行っている。サービス形態も,有料型や無料型,テレビ局のサイトから直接ダウンロードするタイプやアップル社のiPod など携帯端末へダウンロードできるサービスなど多様化しつつある。ネットワーク各社はこれまでのCM に代わる新たな広告収入源としてネット配信に期待を寄せており,ネット動画利用行動とネット広告への接触状況については,今後も様々な調査や論議が続くと見られる。

米倉 律