国内放送事情

「これからのテレビ」を巡る動向を整理する Vol.4

~2013年10月-2014年7月~

放送サービス高度化の取り組みは2014年に入っていよいよ本格化している。6月には4K試験放送がスタートし、NHKは秋から、ハイブリッドキャストサービスを総合テレビだけでなく、EテレやBSでもスタートさせるとしている。一方で、4K・8Kの新ロードマップの公表は当初の予定より大きくずれ込んでおり、民放でハイブリッドキャストサ―ビスをスタートさせようという局は依然出ていない。オールジャパンでテレビを盛り上げようという取り組みは今後どこに向かっていくのだろうか。

また7月には、これまでリアルタイム視聴率を唯一の指標としてきた地上波民放事業者の無料広告モデルに風穴を開ける動きが相次いだ。半世紀以上維持されてきた盤石なビジネスモデルが変化していくのだとすると、それは視聴者にとってどのような意味を持つのだろうか。

本稿は、通信放送融合時代のこれからのテレビのありようを継続的に研究するための作業の結果報告である。今回は2013年10月から2014年7月までの最新動向を整理、論考した。

メディア研究部 村上圭子