国内放送事情

インターネット時代の「キャンペーン報道」の意義を探る

~NHK「ミドルエイジクライシス」キャンペーンを事例として~

報道の世界において、「キャンペーン報道」(「プレス・キャンペーン」とも表記)が占める割合は、かつても今も決して少なくない。

キャンペーンという用語はしばしば見受けられるが、この20年近く「キャンペーン報道」「プレス・キャンペーン」「放送キャンペーン」について、ほとんど論じられてこなかった。1960年代~1990年までの間に、多くの研究者によって様々な研究が蓄積され、論じ尽くされてきた感がある。しかし2000年代以降、インターネットや携帯電話の普及、メディアのデジタル化の推進を背景にメディアを取り巻く環境も複雑、多様化し、視聴者、読者のメディア接触動向、情報行動も急速に変容している。その結果、「キャンペーン報道」の存在意義や方法論も大きく変わった。そんな時代にあって、「キャンペーン報道」がどのような可能性や展望を持ち得るのか、また課題は何かについて考察する。

メディア研究部(メディア動向) 小俣一平