国内放送事情

“テレビの見方が変わる”

~ツイッターの利用動向に関する調査~

ツイッターは、2006年に米国で始まったコミュニケーション・サービスだが,2008年に日本語化され,日本でも急速に普及しつつある。ツイッターにはリアルタイム性、チャットのような “ゆるい連帯感”、そしてプッシュ型のサービスという3の特徴がある。そこでツイッターのハードユーザーの利用実態を調べると同時に、テレビとの関係についても調査を試みた。行った調査は、インターネット・アンケート調査とオンライン・ディスカッションの2種類である。

アンケートからは、ほとんどの人がツイッターを利用するための機器として「パソコン」をあげているが、同時に「携帯電話」も半数を超える人に使われていることが分かった。書き込みが人気のある有名人として、伊集院光、広瀬香美、坂本龍一、鳩山前首相(調査時は首相)などの名前があげられた。テレビを見ながらその番組について書き込みをすることが多い番組は,バラエティー番組、ニュース,スポーツ中継,ドラマなどである。テレビとツイッターの関係を男女年層で見ると、男30代が全般に高い数字を示している。

オンライン・ディスカッションでは、「なんだか世界とつながっている感覚があるところ。妙な一体感があったりするところ」(男20代)といった『ゆるい連帯感』がツイッターの魅力としてあげられた。また、「今流行っていることがすぐ伝わってくる」(男30代)など、『今が感じられる』こともツイッターの魅力であるようだ。テレビとの関係では、「テレビを見ていて話題が盛り上がった時や,他の人がどう感じているかすぐ知りたい時に利用している」(女20代)など、テレビの前で「私語」をするようにツイッターを利用している。

これまで視聴者による放送のリアクションは,かなり時間がたってからという限定がついていた。ところがツイッターでは,ほぼリアルタイムで情報が飛び交い、視聴者の反応を瞬時に知ることができる。このように放送と親和性を持つツイッターは,放送のフィードバックとして重要な意味を持っている。ネットのコミュニケーション・サービスは、マスメディアの新しい利用スタイルを作り出す可能性を持っている。

メディア研究部(メディア動向) 小林 憲一 三浦 基