国内放送事情

シンポジウム

社会の構造変化と放送の役割

放送文化研究所が今年4月14日に千代田放送会館で実施したシンポジウム「視聴者とともに拓く新時代の放送」から第一部「社会の構造変化と放送の役割」での議論の模様を紹介する。第一部は、放送がいま直面しているさまざまな変化や危機的状況に鑑み、放送の社会的な役割や使命を、より広い社会の構造変化のコンテクストとの関係において考えるという趣旨で議論が行われた。特に(1)地域格差の問題、(2)グローバル化への対応の問題、(3)インターネットの拡大との関係、という三つの論点を中心に議論が展開された。

パネリストは浜田純一(東京大学教授)、吉岡忍(ノンフィクション作家)、遠藤薫(学習院大学教授)、渡辺興二郎(テレビ朝日取締役)、今井義典(NHK副会長)、司会は放送文化研究所の米倉律であった。

<目次>

1.問われる放送の社会的役割・使命

  • 1-1. 議論の枠組みと問題の所在
  • 1-2. 社会における「公共性」と「放送の公共性」

2.社会における公共性のゆらぎに放送はどう向き合うか

  • 2-1. 3つの視点
  • 2-2. 地域格差の拡大と放送の課題
  • 2-3. グローバル化の進展と放送の役割
  • 2-4. ネットの普及とマスメディアの使命

3.新しい「放送の公共性」をどう構想するか

メディア研究部(海外メディア) 米倉 律