国内放送事情

利用が進むワンセグ

~ワンセグ利用実態調査報告~

今年4月から地上デジタル放送によるワンセグサービスが始まった。このワンセグは日本が世界に先駆けて開発した携帯端末受信向けのサービスであり,どこにいても携帯端末電話などで放送を見ることができる画期的なサービスである。私たちは本年6月末に,1,050名を対象としたインターネットによるアンケート調査を実施した。

  1. ワンセグとは

    日本電子情報技術産業協会によれば6月末までに出荷されたワンセグ対応携帯電話はおよそ120万台で、地上デジタル放送用固定受信機の総出荷台数1,200万台の10%にのぼる。 デジタル放送では周波数帯を13のセグメントに分割し送信する。13にわけられた帯域をセグメントと呼んでいるが,そのうち12セグメントをハイビジョン放送に利用し,1セグメントを携帯端末受信向けに利用している。1セグメントで行われる放送というところから「ワンセグ」という愛称が生まれたのである。

  2. 利用実態調査

    ワンセグ携帯の購入時期で最も多かったのは06年5月、購入金額は2万円台が最も多い。使い始めた理由には「ワンセグに興味があり見てみたかった」「地上デジタル放送を体験したかった」などがあげられている。

    一日の平均視聴時間は38分、「朝夕の電車・バスの中」で多く利用され、「ニュース」「天気予報」「スポーツ」などが見られている。W杯の日本の試合もよく見られ、対オーストラリア戦は約4割の人が見ている。

    データ放送でよく利用されている情報はテレビ放送のジャンルとほぼ同じだが、データ放送では「交通情報」の利用が高い。あったら利用したい情報として「株価」や「釣果情報」などがあげられた。

    地下鉄の中でワンセグ携帯を利用したいという要望が高く、ワンセグの普及拡大を図る上で地下鉄での利用は欠かせない。自由回答にみる数多くの要望は,ワンセグサービスへの期待の大きさを表しており,かなりの普及の可能性が感じられる。地上デジタル放送の受信エリア拡大に合わせ,さらに普及拡大の施策を実施していく必要がある。

主任研究員 小林憲一 / 研究主幹 三浦 基