番組研究

アーカイブ番組を大学教育にいかす

【第3回】 アーカイブ視聴が生み出す効果

NHK放送文化研究所では、NHKアーカイブスに所蔵されている番組を大学教育に活用するため「番組eテキストシステム」という、対象を限定した番組のネット配信システムを開発している。本稿は、それを用いた大学での実験授業報告の3回目である。過去2回は、2012年度に早稲田大学で行った「沖縄現代史」に関する授業の概要と成果を報告したが、今回は、2013年度に法政大学で行った「水俣病事件の歴史」に関する授業について、第1部で,授業の構成や受講生の概要をメディア研究部の原が、第2部で、授業設計の狙いと手ごたえを、授業を担当した法政大学小林直毅教授が報告する。講義に使用されたシステムには事前視聴番組11本、参考番組4本が搭載され、受講生は講義期間中、自宅や大学のパソコンや携帯端末でそれらを視聴することができた。本講義では、指定された番組を授業前に視聴するとともにそれについて短文のレポートも宿題として課され、講義はそれらを前提に展開された。履修登録学生227人中,単位取得に至った学生は67名にとどまったが、各授業に真摯に取り組んだ学生は十分な成果を挙げた。小林教授がこのシステムを活用することで目指した、「テレビ史としての水俣病事件史」および「そのような水俣病事件史として戦後史を考えようとするこの講義」はその目標を達成できたと評価できる。

法政大学 小林直毅
メディア研究部 原由美子