番組研究

朝ドラ『あまちゃん』はどう見られたか

~4つの調査を通して探る視聴のひろがりと視聴熱~

大きな話題となった朝ドラ『あまちゃん』が視聴者にどう見られたかを知るため4つの調査を実施しました。①視聴率分析:世帯視聴率は近年の朝ドラと大差ありませんでした。②世論調査:認知率は92%と大変高く話題性の大きさの一端がうかがわれます。視聴経験者(49%)は「いつも見ているから」見ており、見なかった人は「見る習慣がない」人が多く、習慣性の強さが確認されました。視聴満足度は73%。インターネット上のSNS等に投稿・閲覧した人は、それぞれ1%にとどまりました。③インターネット上で大きな話題になっていたので、インターネット利用者で『あまちゃん』を比較的よく見ている人の特徴をアンケート調査で調べました:録画視聴経験54%、「同じ回を何度も見た」人42%など、多様な手段を駆使して熱中して見ていた様子がわかりました。④ソーシャル・リスニング調査でTwitter上の発言を具体的に見てみました:発言量は日を追うごとに増加し合計約650万件で前年同時期朝ドラ『梅ちゃん先生』の約12倍に達しました。1%の人(アカウント)が全発言量の4割を発信していて、『あまちゃん』に非常に高い“熱”を持つ一部の人が全体のツイートを牽引していたようです。発言内容は、いわゆる“小ネタ”に即座に反応するものと、放送後にドラマ内容を自分自身に重ね合わせて語るものの両方があり、“楽しさ”と“共感・感動”の両方を備えたドラマであったことが浮き彫りになりました。

メディア研究部 齋藤建作・二瓶 亙・関口 聰
世論調査部 三矢惠子