番組研究

リタイア期を迎えた団塊男性はテレビに何を求めるか

団塊男性がリタイア期を迎えており、自由時間増加の中でテレビ視聴量の増大と視聴傾向の変化が生じている。本稿ではそうした変化のうち団塊層に特徴的であると思われる点を中心に、グループインタビュー調査の発言を整理して報告する。団塊層は少年期にテレビに出会った第一世代、いわゆる「テレビ世代」の先駆けとして、若い頃にテレビに熱中した記憶があり、ある意味で現在のテレビに物足りなさを感じている。一方ハイビジョン、録画性能の向上など視聴環境は一段と改善しておりテレビに寄せる期待は大きい。見たいと思う番組を探し出したり、気に入った番組を徹底して見尽くしたりなど、これまでの高齢層よりテレビに対する積極性が強い。彼らが見たい番組は、ドキュメント、感動もの、考えさせる教養もの、など見て意味のあるものだという。その背景にはリタイア期の戸惑いがあるようだ。もっともそのようなものばかり見ているわけではなく、バカ笑いするほど楽しいもの、心和む紀行ものなどが好まれている。また、リタイア直後で社会的関心も強い。ニュースや情報番組にはリアルタイム情報と分かりやすい解説を求めている。一方、家庭での家族との関係も深くなる。その際、テレビは家族との「かすがい」として役割を期待され、家族が共通に楽しめて会話が弾む番組として娯楽番組を求める傾向がある。

メディア研究部 齋藤建作