番組研究

親子の接点としてのバラエティー番組

~小学2・3年生のテレビ視聴~

NHK放送文化研究所の“子どもに良い放送”プロジェクトでは、川崎市の子どもたちのメディア接触を0歳のときから継続して追跡調査しているが、テレビ視聴について、8歳になってバラエティー番組の視聴傾向が定着してきたことがわかった。しかもバラエティー番組は子どもだけで見るのではなく、親と一緒に見ていることが明瞭に示された。親と一緒にバラエティー番組を見る傾向は、男子より女子の方が顕著である。一方、子どもが直接回答したアンケートでは「家族で見られて楽しい」という理由でバラエティー番組がよく見られる結果になり、バラエティー番組と家族視聴との関連を裏付けている。母親に尋ねたアンケートでは、4人に3人は「子どもと一緒にテレビを見るのは楽しい」と答えており、テレビを媒介にした親子の関係がうかがわれる。さらに、調査では母親に子どもにとってプラスになった番組とその理由をたずねた。回答は多岐にわたるものであったが、子どもの物事への興味や関心を育て、心の育成に役立つ、という理由が多くあった。

メディア研究部 中井俊朗 / 堀川伸一