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番組研究

東日本大震災 発生から24時間 テレビが伝えた情報の推移

かつてない規模の広範囲・複合災害となった東日本大震災。時々刻々と推移する状況をテレビ各局はどのように伝えていったのでしょうか。伝えられた事象、地域、各局の傾向と、それらが時間を追ってどう推移していったのかを見るため、NHK総合と在京民放キー局の地震発生から24時間の災害報道について、「1分ごと」に画面を抽出し、映像と音声情報の内容を属性や特徴によってコード化するという初めての試みを行いました。対象となる画面は、全6局8724件で、基本画面の構成、映像と音声情報の内容、伝えられた地域・区域などを数値化して分析しました。

基本画面については、中継の多さが際立っていました。特に、地震発生直後から津波が次々と襲来している間と、翌朝明るくなってからは、各局とも中継映像を軸に番組を構成していました。また、真夜中でも、原発事故や帰宅困難者などを中継で伝えるなど、新たな動きをいち早く伝える手段として中継が重要な役割を果たしていることがわかります。

情報の内容については、映像・音声とも「津波」が一番多く伝えられていました。次に多かったのは、映像では「被災者救援」情報、音声は「地震(震源・震度など)」情報でした。また、映像になりにくい「ライフライン・被害」情報を音声中心にでも伝えるのかどうか、局によって判断がわかれていました。

伝えられた都道府県の数は、6局合わせて、映像で23、音声で32に上ります。詳しく見ますと、映像では東京が最も多く、全映像の4分の1を占めていました。次いで宮城県が2割強、福島県、岩手県がそれぞれ1割強と続いています。音声では、宮城県や福島県の方が東京より多く、岩手県は東京より少なくなっています。

伝えられた区域、伝えられなかった区域と被害の大きさを照らし合わせますと、最も被害の大きかった宮城県石巻市は映像で16位、音声で17位、また岩手県大槌町、山田町、宮城県山元町などは、被害の大きさにも関わらず上位50位に入っていませんでした。被害が甚大な地域の情報がかえって伝えられないという「情報のドーナツ化」現象が生じていたことが確認できました。

今回は災害発生から24時間の分析でしたが、今後12日、13日の報道内容も分析する予定で、さらにテーマを絞って具体的な報道内容や表現についての検証作業を行いたいと考えています。

メディア研究部(海外メディア)  田中孝宜
メディア研究部  原由美子