ホーム > 調査・研究成果 > カテゴリーから探す > 番組研究 > 東日本大震災発生時・テレビは何を伝えたか(2)

番組研究

東日本大震災発生時・テレビは何を伝えたか(2)

東日本大震災が発生したその日の夕刻から翌日にかけて、多様性を増していく「複合災害」をテレビがどのように伝えたのかを中心に、その記録をまとめる。

5月号に引き続き、大震災発生2時間後以降、翌日夜までの間にどのような放送が行なわれたかを確認した。

NHK総合と全ての在京民放キー局は、翌日の深夜まで地震・津波報道を続けた。当初の大地震・津波に加えて、福島原発の過酷事故、大量の帰宅難民、深夜の信州での新たな地震など、東日本大震災はこれまで経験したことのない「複合災害」の様相となった。当日のうちに震災の全貌を把握することはできず、夜を徹して手探りの報道が続く。翌日の早朝、各局が空中から、東日本沿岸に刻まれた大津波の爪痕を伝えたのを皮切りに、救助活動の様子など現場の情報をどんどん映像と共に伝えていく。それでもなお地震発生より24時間が経過した時点で死者・行方不明者数約1400人と報じられていた。夕刻には東電より「計画停電」の可能性が伝えられ、報道の内容は新たな懸念を進行形で増やしながら、ますます多様で広域性の強いものになっていった。

福島第1原発事故についての報道は、11日夜から本格化した。翌12日午前中に1号機原子炉内の水位の低下、避難区域の拡大などが次々に報じられた。午後3時すぎにベントの成功が伝えられたが、1号機の建屋が爆発。正確な情報が入らずに、報道は混乱し、政府の正式な発表で事態が落ち着くまで5時間を要した。現場が取材できず、電力会社や政府の発表に頼らざるを得ない点が原子力災害報道の課題として浮かび上がった。

メディア研究部 番組研究グループ