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ことばウラ・オモテ

ことばの遊び

夏休みには、楽しいことをして過ごすのだと心に決めても、暑さに負けて実行できないことが多いものです。 中には子どもの面倒を見なければならないお父さんたちも多いでしょう。

今回は、お金がかからなくて楽しめることばの遊びをいくつか考えましょう。
はじめは、誰でもいつでもできる「しりとり」です。

「しりとり」は普通のルールでは、名詞だけを使う。「の」でつないだ名詞句はだめ。「ん」で終わったら負け。長音は伸ばす前の音を取ってつないでいく(「メンバー」なら「バ」を次の頭にする)、拗音は「や、ゆ、よ」と見なす、などです。

なかには高度なしりとりがあり、外来語は禁止、擬音語や擬態語は禁止、固有名詞は禁止、特定のジャンルのことばを禁止(動物名や、色などを使えなくする)などの制限を付けると一挙に難しくなります。

一般的なしりとりの場合、単語の最後の音が難しさを決めます。

つまり、辞書でどの音で始まる単語が少ないかを見ると、相手を困らせることができそうです。

『新明解国語辞典』の第5版(現在は第6版が最新)は総語数(小見出しを含む)で7万2千語ほどありますが、「ぺ、ぽ」で始まり、「ん」で終わらない語はそれぞれ64単語。

次いで、「ぴ」の65、「ず」の82、「ぬ」の116というのが少ない方の5つです。

つまり、「ぺ、ぽ、ぴ、ず、ぬ」で終わることばを持っていれば勝つチャンスが増えるわけです。

「ぺ、ぽ、ぴ」のようなパ行はもともと日本語には少なく、外来語で占められていると言っても良いほどです。(「ぱ」は172、「ぷ」は124でかなり少ない部類です)

「ぴ、ぺ、ぽ」で終わることばには、「安否、隠避、月日、官費、金肥、軍費、厳秘、雑費、賛否、失費、戦費、存否、天日、突飛、燃費、門扉、乱費、レシピ」などがあります。

「ぺ」で終わる語には「いいだしっぺ、さいごっぺ、オノマトペ、カナッペ、しっぺ、フラッペ、もんぺ、ルーペ」があります。

「ぽ」で終わる語には「一歩、尾っぽ、闊歩、ぎんぽ(魚)、ゲシュタポ、健保、コンポ、散歩、先っぽ、しっぽ、進歩、すかんぽ、担保、タンポポ、テンポ(店舗)、独歩、のっぽ、日進月歩、漫歩、ゆたんぽ」などがあります。

これらを覚えておくと、しりとり名人になれるかもしれません。

もう一つ、一人でできることば遊び、「ダブレット」をご紹介しましょう。これは『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロル(チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832~1898)が本名)が考えたもので、同じ文字数で関連のある単語をふたつ用意し、使われているアルファベットを一字ずつ変えながら意味のある単語に変えていきます。そして、いくつかの単語を間において目的の単語につないでいきます。複数の人で競う場合は中間の単語数が少ない方が勝ちになります。

例としては、HEAD(頭)をTAIL(しっぽ)に変えるというものがあります。

この場合は「HEAD→HEAL→TEAL→TALL→TAIL」という具合です。

日本語では「キリン」を「パンダ」に変えるというのをやってみましょう。

「キリン→キリコ(切り子)→キンコ(金庫)→パンコ(パン粉)→パンダ」となります。

それでは夏休みの宿題。「子孫を先祖に戻そう」です。(回答例は来月掲載します)

(メディア研究部・放送用語 柴田 実)