アクセントとイントネーション
2002.12.01
問い合わせや苦情を受けていると、ことばについて様々な勉強をしなければなりません。
視聴者の皆さんから時々来る苦情に「アナウンサーのイントネーションがおかしい」という内容があります。
よく話を聞くと単語のアクセントがおかしいのではないかということもあります。
専門的には、単語レベルの音の高低をアクセントといい、文章全体の高低の調子をイントネーションといって、同じ音の高低を分けています。
イントネーションについてはまだわからないことが多く、時代による変化についても解明は進んでいません。
しかし、日常生活で私たちは、このイントネーション(抑揚)を実に上手に使い分けています。
次の文章はどのように話されるでしょうか。
「黒い目のかわいい女の子」
区切り方とイントネーションでさまざまな意味になります。
順不同で並べると
- 目が黒く、顔がかわいい、少女
- 黒い目がかわいい(顔はわからない)少女
- 肌が黒く、目がかわいい少女
- 肌が黒く、目がかわいい女が生んだ子供
- 目が黒く、顔がかわいい女が生んだ子供
- 黒い目がかわいい(顔はわからない)女が生んだ子供
などとなりそうです。
区切り方、音の高低や、強く発音することなどで、意味の違いを伝えようとしますし、聞く人も理解してくれるでしょう。
最近気になる話し方として、中途上がりイントネーション(「語尾上げ」と言われることもあります)を指摘する人が多くなっています。
上に掲げた文は多義性があり、文章として決してよいものではありませんが、出てくることがあります。そして、イントネーションを上手に使うことで意味を特定できます。
「中途上がりイントネーションは、単調な繰り返しにおちいりやすく、イントネーションの持つ機能を十分に働かせることができない。」と言って反対する人もいます。
そういえば、中途上がりイントネーションを使う人の中には、瞬間的に上下する極端なイントネーションを使う人が見られます。意図的に強調しているのか、単なるクセか判断に迷います。
話す速さの問題も関連し、話し方の印象を一言では語れませんが、たおやかなイントネーションで語るのは、古い世代の人だけになったのでしょうか。