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最近気になる放送用語

卵焼き? 玉子焼き?

字幕スーパーとして出す場合、「卵焼き」と「玉子焼き」のどちらを使えばよいのでしょうか。

放送では「卵焼き」という漢字表記をおすすめしています。

解説

放送で「たまご」を漢字で書く場合には、「卵」とするように統一しています。「玉子」と書いても誰でも読めるではないか、という意見もあろうかと思います。ただ、このように1つの単語に複数の漢字表記を認める場合(同語異表記)には、原則として「こういう場合には『卵』を使い、こういう場合には『玉子』を使う」というようなことをきちんと説明できなければならないことになっているのです。たとえば、「とり」は現在「鳥」とも「鶏」とも書けますが、これは「鳥類全般の場合には『鳥』、ニワトリに限った場合には『鶏』」というように区別することが可能だから、「同語異表記」が容認されているのです。

ただし、将来は「玉子」という表記を部分的に認めてゆくことがあるかもしれません。街中を歩いて観察してみると、「玉子丼」はあっても「卵丼」は見当たりません。想像ですが、調理前のものは「卵」、きちんと火が通ったものは「玉子」というような使い分けがあるような気がしています。

NHK放送文化研究所では、「たまご」の漢字表記についてウェブ上でアンケートをおこないました(2007年2月~3月、1343人回答)。「生たまご・たまご焼き」を漢字でどう書くかを尋ねたものです。

まず全体として一番多かったのが「生卵・玉子焼き」(55%)というように「卵」と「玉子」とを使い分けるという回答で、2番目が「生卵・卵焼き」(31%)でした。この「使い分ける」という回答の傾向は、男性(61%)のほうが女性(50%)よりも強いようです。

また、この「使い分ける」という回答は若い年代になるほど多くなっています。今後、主流になっていく可能性もあります。

「卵」と「玉子」とを使い分けることになった場合、どの程度火を通せば「玉子」になるのか、「半熟たまご」「たまごとじ」はどう書いたらよいのか、といったことについても考えなければならなくなってきます。少なくともしばらくは、使い分けが簡単ではないのでどのような場合でも「卵」と書くのがよい、ということになりますが、各種実地(実食)調査も含め今後とも検討を続けてゆきます。

生卵・玉子焼き(ウェブ上アンケート)

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)