最近気になる放送用語

「半クエスチョン」

「あそこのクロワッサン?バター?けっこういいの使ってるらしくって」のように、文の途中が疑問形になっているような話し方を最近よく耳にしますが。

文末ではなく、文の途中の部分を尻上がり調にする話し方は、「半クエスチョン(半疑問)」と呼ばれています。ここ何年かで女性を中心に急速に広まっています。必ずしも若い人だけの流行ではないようです。

解説

「半クエスチョン」は、普通の疑問形とは違って、「私の話していることが伝わっていますか」という信号として使われているようです。「あそこのクロワッサン?」と尻上がりにし、「うん」と相手がうなずくことで、相手が自分の話を聞き流していないことを確認することができ、心理的に安心できるのが、流行の一因でしょう。純粋な「疑問」ではないから、「半クエスチョン」なのです。 ただし、この話し方に違和感・反感を感じる人はかなり多くいます。話し手が自分に正面から向き合おうとしないまま、表面的に「疑問」を投げかけているように響くからです。次のようにすれば、「半クエスチョン」を使わなくても済みます。

  1. 質問すべきところでは、疑問形を用いた文できちんと質問し、それから本題に入ること。
  2. 相手に伝わっているかどうか不安になる原因の1つには、自分の使っている単語・言い回しが難しすぎるのではないか、と気にしていることがあげられます。確実に相手に伝わると自信を持てるくらいの簡潔な表現を目指しましょう。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)