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ことばの研究

「ニホン」か「ニッポン」か 「日本」の読み方の現在

平成15年度(後半)「ことばのゆれ」全国調査から(1)

NHKに毎日寄せられる問い合わせのうち、昔から尋ね続けられてきた代表的なものに国名としての「日本」の読み方は「ニホン」なのか、それとも「ニッポン」なのか、というものがあります。

国号「日本」の読み方は、公式に定められたものがありません。国レベルでは、昭和9(1934)年に当時の文部省臨時国語調査会が呼称統一案として「ニッポン」にすることを決議しましたが、政府で採択されず、正式な決定がないまま現在に至っています。

教科書を発行する出版社にも「日本」の読み方について同じ質問がたびたび寄せられるそうで、たとえばある社のホームページでは、「法律をはじめ明確な規定はなく」とした上で、NHKの使用方針が例として紹介されているのです。そのほか、国語辞典などでもNHKの例が取り上げられていて、この読み方は非常に難しい問題のようです。

NHKでは、現在の放送用語委員会の前身「放送用語並発音改善調査委員会」が、昭和9年の発足当時に「正式な国号として使う場合は、『ニッポン』。そのほかの場合には『ニホン』と言ってもよい」という方針を決定していますが、それから70年、現在「日本」はどのように読まれているのでしょうか。今回、調査すると、「ニホン」が61%、「ニッポン」が37%という結果になりました。また、年代別では、若い人ほど「ニホン」が増える傾向がありました。ゆれてきた「日本」の読み方は、今後、NHKの使用方針と異なる「ニホン」派が増えていくのでしょうか。

今回は、現在の「ゆれ」の状況について、「日本銀行」の読み方など社会で関心が持たれているいくつかの事例を検証しながら、調査結果とともに報告します。

また、昭和9年の文部省臨時国語調査会が、国号としての「日本」の読み方を「ニッポン」にしたのは、NHKの決定からわずか1週間後のことで、NHKの決定が影響したとも言われています。このころの経緯についても合わせて調べました。

(メディア研究部・放送用語 宮本克美)