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ことばの研究

「夜中」「深夜」「未明」は何時ぐらいか?

平成15年度(後半)「ことばのゆれ」全国調査から(1)

今回、用語・表現グループでは「時」を表すことばを調べました。

事件や事故が発生した時間をテレビニュースでいうのに、「○時○分」という明確な時刻をいえない場合があります。例えば、事件・事故の第1報で、その段階では細かい時刻がわからない場合、「だいたいその時間」といった意味で「深夜」「未明」などの「時」を表すことばが使われます。これら「時」を表すことばが指す時間帯は何時ぐらいなのでしょうか。調査では、特に「夜中」「深夜」「未明」を取り上げ、それぞれ「何時ぐらいから何時ぐらいまで」だと思うかを聞きました。

調査の結果からそれぞれの始まりと終わりの平均の時間帯を出しました。「夜中」は「午後11時台~午前2時台」、「深夜」は「午前0時台~午前2時台」、「未明」は「午前2時台~午前4時台」でした。

また、辞典、報道(放送や新聞)の考えと調査結果との違いを見たところ、特に「未明」に違いが見られました。「未明」は辞典では「午前3時~日の出前」を指しますが、報道では「午前0時~3時」の意味でも使う場合があります。調査結果から、人々は辞典どおり「日の出前」の2~3時間を指すことばとしてとらえており、報道の考えとの違いが出ています。では「午前0時~3時」を何と表現したらよいのでしょう。この点について調査で聞いたところ、「深夜」という答えが多くありました。報道で「午前0時~3時」を指して「深夜」というのには問題があるのでしょうか。辞典の意味から考えても「日の出に近い時間帯」のことばである「未明」を報道で「午前0時~3時」の意味でも使うようになったのはなぜなのでしょう。

こうした点のほか、『放送研究と調査』本文では、「時」を表すことばの歴史的な変遷について述べます。また、調査については「夜中」「深夜」の時間帯の関係などを細かく分析します。

(メディア研究部・放送用語 山下洋子)