放送現場の疑問・視聴者の疑問

「法王」と「教皇」

先ごろ(2005年4月)、ローマ法王の死去と新しい法王の選出のニュースがテレビや新聞で伝えられていましたが、「ローマ法王」について、「ローマ教皇」という言い方も聞いたことがあります。これについて放送での扱いは、どのようになっているのでしょうか。

原則として「ローマ法王」、あるいは略して「法王」としています。場合により教会の正式名称の「ローマ教皇」「教皇」を使うこともあります。

解説

ローマ・カトリック教会の最高位である「ローマ法王」について、教会が使っている正式名称は「ローマ教皇」「教皇」(読みは[キョーコー])です。『新カトリック大事典』(編集 学校法人上智学院:新カトリック大事典編纂委員会 発行所 研究社)は、見出し語を「きょうこう 教皇」とし、関連用語も「教皇庁」「教皇領」など、すべて「教皇~」となっています。しかし、この『新カトリック大事典』も「教皇」についての説明の中では「日本カトリック教会では『ローマ教皇』、単に『教皇』というが、我が国では『ローマ法王』あるいは『法王』ともいわれる」と記しているように、新聞社や通信社の記事をはじめ国内では主に「ローマ法王」「法王」が慣用的に使われ一般にも定着しています。こうしたことから、放送でもニュースや一般番組では呼び方、表記ともに原則として「ローマ法王」あるいは略して「法王」を使っています。また、番組の内容やテーマ・趣旨などにより特に必要と考えられる場合には、「ローマ教皇」「教皇」を使うこともあります。

なお、[ローマ・ホーオー]の場合の「法皇」の表記、および「教皇」における[キョーオー]の読みは採りません。

(『ことばのハンドブック』P50、P166『新用字用語辞典第3版』P508『日本語発音アクセント辞典』P226参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)