放送現場の疑問・視聴者の疑問

「~ぶり」の使い方や数え方は?

まもなく「夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)」が開幕しますが、出場校を紹介する際などに、よく「○年ぶり○回目の出場」という言い方をします。こうした「~ぶり」の使い方や数え方について教えてください。

接尾語の「~ぶり」は、一般的に時日(じじつ)がたって、その前の状態が再び起こるときに使われます。 また、その場合の時間や日にちはすべて満の数え方をします。

解説

「~ぶり」(○年~、○日~)は、「久しぶり」という言葉もあるように、ある程度の時間・日にちがたったあと、ようやくその前の状態が再び起こるときに使われるのが普通です。

(例1)「5年ぶりの再開」「5日ぶりの晴天」「1か月ぶりの雨」

また、期待感がある場合や実現するまでに相当の努力が払われ、しかもそのことが起こるまでに心理的に長い時間の経過がある場合には、必ずしもその状態が再 現されなくても使う場合があります。

(例2)「着工以来、15年ぶりに開通」

<注意>「~ぶり」には、語感の中に「待ち望んでいることへの期待感」を含んでいるので、「○年ぶりの大病」などという言い方は普通しません。

[数え方]

「○時間ぶり」「○日ぶり」「○か月ぶり」「○年ぶり」などは、すべて満の数え方をします。

  • (例1)平成10年に初優勝したあと、ことし(平成13年)再び優勝した場合、
    「3年ぶり2回目の優勝」。
    満の数え方で、(平成)13-10で3年と計算します。
  • (例2)ある事件が10日に発生して20日に解決した場合は、
    「事件は10日ぶりに解決」。(20-10=10日ぶり)
  • (例3)鉄道事故が17日に起きて20日に列車の運転が再開されたときは、
    「3日ぶりに運転再開(復旧)」。(20-17=3日ぶり)

(『ことばのハンドブック』P163、143参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)