放送現場の疑問・視聴者の疑問

「○○犬」の読み方は「~イヌ」?「~ケン」?

秋田犬など○○犬という場合の「犬」の読み方が、「~イヌ」「~ケン」というふうに、まちまちな場合があります。放送では、どのように読んでいるのでしょうか。

地元の保存会など関係団体が用いている呼称と一般の慣用を考慮したうえで、それぞれの読み方を決めています。

解説

例えば、「秋田犬」は地元では伝統的に「アキタイヌ」と呼ばれ、「秋田犬保存会」(大館市)も「アキタイヌ・ホゾンカイ」です。しかし、NHKが平成2年(1990年)2月に首都圏在住の16歳以上の男女を対象に行った調査では、「秋田犬」を「アキタケン」と読むと答えた人は全体の95%もいました。このため、放送では、従来の「アキタイヌ」という読みに加えて「アキタケン」と読んでもよいことにしました。このように、伝統的な呼称と一般の慣用や定着度を考慮したうえで、放送では以下のように読むことにしています。

  • 「○○イヌ」と読むもの しば犬 [×柴犬]
  • 「○○ケン」と読むもの 甲斐犬、紀州犬、北海道犬、カラフト犬
  • 両方の読みをするもの
    秋田犬 (1)アキタイヌ (2)アキタケン
    土佐犬 (1)トサイヌ  (2)トサケン

(『ことばのハンドブック』P9、P81、P131参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)