放送現場の疑問・視聴者の疑問

「御用始め」と「仕事始め」放送ではどのような使い方?

年末年始のニュースに出てくる「御用納め」「御用始め」について、最近「仕事納め」「仕事始め」という言い方のほうを多く耳にするのですが、放送ではどのような使い方をしているのでしょうか。

原則として「仕事納め・仕事始め」を使っています。官庁の場合にもなるべく「仕事納め・仕事始め」を用いるようにしています。

解説

「御用納め」「御用始め」の「御用」は、本来は宮中・幕府・政府などの執務・仕事を指すことばでしたが、放送では民間の会社などについても「御用納(始)め」という言い方が1960年代中ごろまで一般に使われていました。しかし、この言い方には、“いわゆる「お上の御用(仕事)」という古い感覚が感じられる”“かたい官庁用語をもっと分かりやすく親しみやすいものにしてほしい”などの意見や要望もあって、今では民間の会社などに限らず、官庁の場合にもなるべく「仕事納め・仕事始め」を使うようにしています。

取引所の場合の「仕事納め」「仕事始め」にあたるのが、「大納会(だいのうかい)」「大発会(だいはっかい)」です。

「立ちて酌む 仕事始の茶碗酒」(近沢 多津郎)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)