放送現場の疑問・視聴者の疑問

「大地震」の読み方は?

1月17日、兵庫県南部を中心に大きな被害をもたらした大地震-「阪神大震災」から4年たちました。こうした「大地震」の読み方は、[オージシン]・[ダイジシン]どちらでしょうか。

[オージシン]が慣用的な読みです。

解説

接頭語「大」のつくことばで、読みが[ダイ]か[オー]か、よく迷うところですが、これには一般的な決まりがあります。原則として、「大」のあとに漢語(音読み)がくると[ダイ]、「和語」(訓読み)がくると[オー]です。

例えば・・・

[ダイ] 大英断 大音声 大草原 大打撃 大接戦 大洪水など

[オー] 大金持ち 大酒飲み 大入袋 大通り 大売り出しなど

しかし、「大地震」の場合は例外的に[オージシン]と読む慣用がありました。このほか、次のことばも「大」のあとに漢語(音読み)がきていますが、慣用的に[オー]と読むことになっています。

「大火事」「大御所」「大道具」「大所帯」「大騒動」など。

ちなみに、 阪神・淡路大震災の年の平成7年(1995年)11月にNHKが行った「ことばのゆれ」全国調査によりますと、「大地震」を8割近く(77.6%)の人が [ダイジシン]といっています。「大地震」については、実際には[オー]か[ダイ]かで揺れがあり、調査結果で見る限り、しだいに[オー]よりも[ダイ] と言う人が増えているということが言えます。

(NHKことばのハンドブックP26、P354参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)