放送現場の疑問・視聴者の疑問

「ニホン」か「ニッポン」

銀行・証券関連など最近のニュースで、企業名を含めて「日本」という言葉がよく出てきますが、「ニホン」か「ニッポン」か読み方はどうなっているのでしょうか。

両方の読みがあります。

解説

NHKでは、「日本」を正式の国号として使う場合は「ニッポン」、そのほかの場合は、言葉に応じて読み分けています。

昨年来の一連の銀行・証券の経営破たんや合併、大蔵・日銀汚職、それにワールドカップ・サッカー関連で、ニュースや番組に連日のように「日本」という言葉が出てきたためか、視聴者からのものを含めて「ニホン」か「ニッポン」かの問い合わせが目立ちました。

「日本」の付く語としては・・・

(1)「日本」と(2)「日本~」「~日本」があります。

このうち(1)については、正式の国号として使う場合は「ニッポン」。そのほかの場合には「ニホン」と言ってもよいとしています。「日本」が付く語の実際の読みについては、

  • [ニホン]と読む語 日本画、日本海、日本髪、日本橋(東京)ほか
  • [ニッポン]と読む語 日本(国号)、日本国民、日本橋(大阪)ほか
  • [ニホン]または[ニッポン]と読む語 日本一、日本記録、日本語ほか
  • [ニホン]を第1とし、[ニッポン]を第2とするもの 日本アルプスほか

以上4つのケースに読み分けています。(NHKことばのハンドブックP138)

ちなみに、応援の場合には歯切れの良い「ニッポン」が定着しています。4年後のワールドカップ・サッカーでは、心機一転、日本チームの快進撃を期待しています。「ガンバレ!ニッポン」

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)