世論調査ローデータの外部学術アーカイブへの提供10年

公開:2020年2月1日

NHK放送文化研究所では,これまで、調査結果については、「放送研究と調査」などの刊行物や公開ホームページなどで、視聴者に広く公表してきている。ただ、世論調査ローデータについては、長い間、個人情報保護などの理由で公表してこなかった。
海外では、1960年代に多くのアーカイブが設立され、ローデータの保存・公開が進められてきたが、日本では、アーカイブの設立は遅れ、東京大学がSSJデータアーカイブ(Social Science Japan Data Archive)を設立し、データの提供を開始したのは1998年になってからであった。こうした動きに伴い、文研にも研究者やアーカイブからローデータの提供を求められるようになり、提供について検討を開始した。提供先の学術アーカイブの条件や提供対象とする調査の条件などを検討した結果、2009年にSSJデータアーカイブへ段階的に提供することを決定した。文研では、この10年間に「日本人の意識調査」など20調査のデータを提供し、利用申請件数は346件で、34の2次分析論文が発表されている。
本稿では、提供に至るまでの背景や経緯、それに提供の現状について報告する。

世論調査部 平田明裕

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