住民基本台帳からの無作為抽出によるWEB世論調査の検証②

~郵送調査との回答分布の比較~

公開:2018年9月1日

世論調査の有効率の低下が問題になるなか、NHK放送文化研究所では、住民基本台帳から無作為抽出で選んだ調査相手に対する「WEB世論調査」の可能性を探るための実験調査を行った。この実験調査の設計や有効率については、本誌の2018年6月号で述べたが、本稿ではWEB回答の質を検証するため、郵送調査(以下「比較用郵送」)との回答分布を比較し、以下の知見を得た。

  • WEB回答と比較用郵送の回答差について、全447の選択肢の比率の差をみると、約9割が4ポイント以内に収まっており、全体的にみれば、方式による回答差はほぼないと言える
  • マトリクス形式の質問では、WEB回答は比較用郵送に比べて、両端選択肢が選ばれにくく、中間選択肢が選ばれやすい傾向がみられた
  • 自由回答、複数回答、点数で回答する質問、センシティブな質問のいずれも、WEB回答と比較用郵送で大きな差はみられなかった

以上の結果から、WEB回答は既存の郵送法と同様の妥当性があると考えられる。ただ、一部の質問では方式による回答差が大きいものもあるため、継続した検証が必要であろう。また、WEB回答を導入する最大のねらいだった若年層の有効率の向上については、現時点で効果がみられなかった。今後も、WEB回答の効果が期待できそうな特定の層を対象にした調査などで、適宜、検証を行い、導入の可能性を探っていきたい。

世論調査部 萩原潤治/村田ひろ子/吉藤昌代/広川 裕

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