教育への期待と高齢者福祉に向けられる厳しい目

~ISSP国際比較調査「政府の役割」・日本の結果から~

公開:2017年5月1日

NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループISSPが、2016年に実施した調査「政府の役割」の日本の結果から、政府に対する期待や評価、社会の安全とプライバシーについて人々がどのような意識を持っているかを報告する。

「政府の責任」だと考えられている施策で最も多いのは、「物価の安定」(81%)で、以下「環境規制」(74%)、「医療」(70%)、「高齢者の生活」(69%)が続く。10年前と比べると「医療」や「高齢者の生活」で政府の責任と考える人が減っている。「政府支出を増やすべき」という人は、「保健・医療」「高齢者の年金」などで減少した一方、「教育」「防衛」が増加した。10年前と比べると教育面への期待が高まり、高齢者福祉には厳しい目が向けられるようになっている。

物価の安定や医療など、多くの分野で政府が果たす役割への期待は高いものの、医療、高齢者対策、子育て支援などの施策に対して「成功している」と評価する人は半数にとどかない。

社会の安全とプライバシー意識についてみると、国の安全を目的とした政府による個人情報収集への許容度は2割程度と高くはない。一方、「テロが起こる可能性がある場合」という条件のもとでは、「盗聴」や「街頭での職務質問」を許容する人が半数程度を占め、2006年より増加している。

世論調査部 荒牧 央/山本佳代/村田ひろ子

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