国への愛着と対外国人意識の関係

~ISSP国際比較調査「国への帰属意識」から~

公開:2017年3月1日

国際比較調査グループISSPが2013年に実施した調査「国への帰属意識」の結果から、31の国・地域を比較し、日本人の国への愛着と排外的な意識について考察する。

日本では「他のどんな国の国民であるより、この国の国民でいたい」「他の多くの国々よりこの国は良い国だ」と考える人が9割近くに上るなど、国への愛着が強い人が多い。

一方、自国に定住する目的で来訪する外国人に対して否定的な感情を抱く日本人は少ない。「定住外国人が仕事を奪っている」「定住外国人によって、この国の文化が損なわれてきている」と考える日本人はいずれも2割にとどかず、各国の中で低い水準となっている。日本は欧米諸国と比べて移民の受け入れ人数が圧倒的に少ないことが背景として考えられる。

排外的な意識に影響している項目を探るために重回帰分析を行ったところ、国によって多少の違いはあるものの、各国とも国を構成するメンバーの「純粋性」についての認識が、排外的な意識に関係していることがわかった。外国人人口の多寡にかかわらず、排外的な意識の規定要因には、共通する背景が浮かび上がった。

世論調査部 村田ひろ子

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