放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

中国政府,1万4,000以上の記者証を没収

中国の国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局(SAPPRFT)は4月22日,不祥事の報道を控えるとして企業から対価を受け取っていた事案などの摘発で,2013年初めから現在までに合わせて1万4,455件の記者証を没収したと発表した。これは習近平政権によるメディア管理強化の一環で,特に4月に入ってからは,新聞の地方支局などによる企業への“たかり”を告発する報道が相次いでいた。具体的には農民工に賃金を払っていない建設業者を脅すといったケースが目立ち,中には正式の記者証を持っていない「ニセ記者」が“たかり”に及ぶケースもあったという。また,「西部時報」のケースでは,そもそも新聞社が各記者に給料や取材費を渡さないばかりか,広告や購読契約のノルマを課し,ノルマを達成しないと記者証を取り上げるなどの“処分”をしていた。

台湾のテレビ局,デモ報道で女性を“侮辱”

中国と台湾のサービス貿易協定をめぐり,台湾で反対運動が活発化していた4月4日,中天テレビの報道番組の出演者が,反対デモに参加していた若い女性を性的に茶化したことから,視聴者の抗議が殺到した。これは中天テレビが平日の午後9 時から放送している報道番組『新聞龍捲風』で,司会者やゲストの男性が,反対デモに参加していた若い女性について「シャツの胸元がこんなに開いている」「ホットパンツも超短い」などと茶化したものである。中天テレビには放送後から「公然と女性をモノ扱いし,侮辱するもの」などと抗議の声が殺到した。NCC(国家通信放送委員会)は16日,公序良俗に反したとして中天テレビに50万元(約170万円)の罰金を科した。

韓国,旅客船事故を放送各社が連日報道

4月16日,修学旅行中の高校生を含む乗客乗員476人を乗せた旅客船セウォル号が韓国南部の海上で沈没した事故で,韓国の各放送局はニュース一色の報道を展開した。事故発生直後からKBS,MBC,SBSの地上放送3社をはじめ,総合編成チャンネルもドラマや娯楽番組を休止した。このうちKBSでは,報道・教養・時事中心のKBS1がニュース特報体制を敷き,文化・娯楽チャンネルのKBS2も大半のドラマや娯楽番組の放送を見送った。また,MBCやSBSも数日間にわたってドラマや娯楽番組の放送を取りやめた。

パキスタン,人気TVキャスター銃撃で混乱

大手商業衛星テレビ局GEO TVの政治討論番組の人気キャスターで,政治家や軍への厳しい批判で有名なハミド・ミール(Hamid Mir)氏が,4月19日,車で放送局に向かう途中で何者かに銃撃され重傷を負った。ミール氏がかねてから身内などに,軍の諜報機関ISI(Inter-Services Intelligence)に狙われていると話していたことから,ISIを非難し責任者の処分を求めるデモが各地で起きた。これに対し国防省は22日,軍を中傷したとしてGEOの放送免許はく奪を求める要求書をPEMRA(電子メディア規制庁)に提出,混乱はますます拡大している。

英BBC,ミャンマーでテレビニュース開始

イギリスの公共放送BBCワールドサービスのミャンマー語テレビニュースの放送が,4月7日に始まった。ミャンマーの商業放送MNTVで,平日の午後8時45分から10分間, 国内・国際ニュースを生放送し,ネットでのライブストリーミングも行う。MNTVは財閥グループのシュエ・タン・ルイン・メディア(Shwe Than Lwin Media)社の所有で,MNTVの会長は「BBCと長期的なパートナーシップを期待したい」と抱負を述べた。ミャンマーでは,情報省が国営放送MRTVを,BBCをモデルにした公共放送へ転換する改革を進めている。

トルコ,違憲判決受けツイッター遮断解除

トルコの通信規制当局(TIB)は4月3日,憲法裁判所が前日に「政府によるツイッター遮断は表現の自由の侵害で違憲」と判断したのを受け,2週間続けてきたツイッターの遮断を解除した。ツイッターを「根絶する」としていたエルドアン首相は4日,判決は履行しなければならないが敬意は表さないと述べ,憲法裁判所の判決に強い不快感を示した。