放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

英BBCトラスト,番組のオンライン販売を承認

イギリスの公共放送BBCが計画している番組をオンラインで販売する新サービス「BBCストア」について,監督機関であるBBCトラストが2月27日,承認した。BBCの現在のキャッチアップサービスでは,放送後1週間までの番組をiPlayerを使って無料で視聴できるが,ダウンロードして番組を所有することはできない。それに対して「BBCストア」は,新旧の番組をiPlayerから購入できるサービスで,BBCの営利子会社BBCワールドワイドが運営することになる。

英BBC,学生に扮した北朝鮮潜入取材で,謝罪

イギリスの公共放送BBCが,2013年3月, ロンドン政治経済学院(LSE)の10人の学生に紛れて,研究目的と偽って北朝鮮取材を行った問題で,BBCは3月17日,大学と学生の親に書簡を送り,謝罪した。この問題では,潜入取材が明らかになっ た後,大学側が番組の放送中止を求めたものの予定通り放送されたことから,BBCに苦情を申し立てた。これを受けて,BBCの監督機関であるBBCトラストが審査を行い,取材班が同行する危険性について学生への情報提供が不十分,不適切であったことなど,BBCが定める編集基準に違反している点があると結論づけた。ただし放送自体は,視聴者の強い関心に応えるものであり問題はないと判断した。

英ロンドンローカルテレビ,放送開始

ロンドンのローカルテレビLondon Liveが3月31日の夕方6時半から“London Go”という情報番組で放送を開始した。London Liveはニュース,文化・芸術,娯楽の24時間放送で,年間1,500万ポンド(約30億円)の予算を投じる予定。London Liveは,ロシア生まれでロンドン育ちのエフゲニー・レベデフ氏が所有。レベデフ氏は,Evening StandardやThe Independentを発行している。

スイス,全世帯徴収の新受信料制度法案が可決

スイスの国民議会(下院)は3月12日,受信機所有の有無にかかわらず,受信料を全世帯と年商50万スイスフラン(約5,750万円)以上の企業から徴収することを定めた放送法改正法案を可決した。ただし,連邦政府の法案に変更が加えられ,新制度導入後5年までは,受信機を所有していない世帯は支払いを免除されることになった。連邦政府の試算によれば,支払い世帯の増加により,受信料額は現在の年額462.4スイスフラン(約5万3,000円)から400スイスフラン(約4万6,000円)に下がる見込み。法案はこの後,全州議会(上院)で審議される。法律の成立は2015年以降となり,その後,2年かけて制度移行を行う予定。スイスの受信料は公共放送SRG SSRの主な財源となっているほか,約4%が民間の州域・ローカル放送事業者にも配分されている。

フィンランド公共放送,受信料額凍結の波紋

フィンランドの公共放送YLEは3月24日,議会が主要財源である受信料のインフレ連動値上げを凍結したことにより,2015年は500万~700万ユーロ(約7億1,000万~9億9,400万円)の予算の削減が必要だと発表した。フィンランドの受信料制度は,2013年4月から累進性を取り入れたYLE税として徴収され,政治からの独立性を保つため,インフレ上昇率と連動して毎年値上げされることが決められていた。今回の凍結により,新制度への移行2年で早くも見直しが迫られる事態となった。

欧州委,視聴覚分野助言グループ設立,議長選任

欧州委員会は,視聴覚メディア産業に対する助言・補佐機関を設立し,3月4日にジュネーブで開かれた初会合で,フランスの独立規制機関CSAのシュラメック評議委員長が初代議長に選任された。この機関はERGA(欧州視聴覚メディアサービス 規制者グループ)と名付けられ,EU加盟28か国のメディア規制機関の長またはその代理人で構成される。その役割は,欧州の視聴覚メディア市場の発展と規制の枠組みとなっている「視聴覚メディア指令」に関わる諸問題について,欧州委員会を補佐し助言するとされている。グループは,放送と通信の融合時代により適合した視聴覚メディア指令への2015年中の改正に向けて,欧州委員会に助言することになっている。