放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2013年6月

6.3 茅ヶ崎市が独自の防災ラジオを開発

神奈川県茅ヶ崎市は災害発生時に市内全域をカバーする独自の防災ラジオを発表した。これはポケットベルの280MHzの周波数帯を使った防災ラジオで地下室にも届くなど,60MHzを活用した防災行政無線より確実性が高いという。電源がオフでも緊急地震速報などの受信時は自動で電源が入り,普段はFMとAMが受信可能なラジオとしても使える。同市では希望する市民に2,000円で配布する方針。

6.4 フジテレビが番組連動アプリを発表

フジテレビジョンが,スマートフォンやタブレット端末に,番組に連動した情報を表示するアプリ「メディアトリガー」を発表した。時刻・通信・音響・映像の4つの同期技術を搭載し,他の放送局も参加・活用できる仕様となっている。テレビ静岡,テレビ新広島などが,このアプリを活用した番組連動企画を実施している。

6.7 参院選の比例で政見放送に字幕を導入へ

参議院選挙の政見放送で字幕が導入されることが公表された。これは障害者団体からの要望を受けて,公職選挙法の実施規程が改正されたのに伴いNHKが比例代表で導入した。7月4日に公示された参議院選挙では実際に字幕をつけるかどうかは各政党がそれぞれ判断した。比例代表の政見放送は東京の放送センターで収録され,NHKでは担当者を増員して対応した。

6.14 政府,放送サービス高度化等を盛り込む新IT戦略等を閣議決定

政府は,放送サービス高度化を新事業創出社会実現の柱の1つと位置付ける「世界最先端IT国家創造宣言について」(いわゆる「新IT戦略」)を閣議決定した。また,同じく閣議決定したいわゆる「骨太の方針」,「成長戦略」にも放送コンテンツ海外展開拡大,災害に強い放送インフラ構築等を盛り込んだ。

6.20 気象庁「特別警報」を8月30日から運用へ

気象庁は,豪雨などの場合に,警報よりさらに強力に重大災害の危機感をアピールする特別警報を2013年8月30日から運用すると発表した(6月20日長官会見)。特別警報の伝達を確実にするため,都道府県に対して市町村への通知を,市町村には住民などへの周知を義務付ける。

6.25 不正アクセス容疑で記者5人を書類送検朝日・共同がコメント発表

パソコンの遠隔操作事件で,真犯人を名乗る人物が送ったメールのサーバーに無断で入ったとして,警視庁は朝日新聞社と共同通信社の記者あわせて5人を不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検した。これについて朝日新聞社は「メールの送信者が誰に対してもアクセスすることを承諾していたのは明らかで不正アクセスには該当しない。正当な取材の一環で法律上も報道倫理上も問題ないと考えている」とコメント。共同通信社は「形の上では法律に抵触する可能性があるが,事件の真相に迫るための取材行為だった」としている。

6.25 NHK12年度決算,7年ぶりの減収減益

NHKが2012年度の決算を公表した。前年度に比べると,受信料以外の収入も含めた事業収入は63億円減の6,603億円,一方,事業支出は35億円減の6,408億円,事業収支差金は28億円減の195億円となり,2005年度以来7年ぶりの減収減益となった。受信料収入は前年度より13億円減の6,387億円。これは,2012年10月からの受信料値下げによる減収218億円分を,前倒しで業績確保に取り組むなどして205億円の増収で補ったもの。

6.26 電気通信紛争処理委が区域外再放送で一部「同意すべき」との答申

電気通信紛争処理委員会は,総務大臣から諮問を受けた徳島県のCATV 事業者「ひのき」の区域外再放送の同意裁定について,対象地域の一部について「同意すべき」と答申した。これは,2011年の放送法改正で再放送の同意裁定が同委への諮問事項となって初の答申である。