放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2013年3月

3.4 “地上波の公共性について自覚を”東海テレビのドラマでBPOが委員長談話

「性的描写が過激だ」と視聴者から指摘されていた東海テレビ制作の昼のドラマ『幸せの時間』についてBPO青少年委員会は,地上波の持つ公共性を自覚するよう促す青少年委員会の委員長談話を発表した。同委員会の委員長談話が出されるのは初めて。これを受け東海テレビは,お詫びのコメントを公表するとともに関係者を処分した。

3.7 津波警報改訂でテレビ速報画面が一新

気象庁は,東日本大震災から2 年近くが経つ2013年3月7日から,津波警報を大幅に改訂した。これに伴い,放送各社は速報の字幕や画面の表記を一新した。このうち,NHKは「見て,聞いて,すぐ分かる」表現を目指し,津波警報や大津波警報の速報画面には,「津波!避難!」「つなみ!にげて!」などの大型字幕を出すことになった。

3.7 震災関連アーカイブの横断的検索が可能に国立国会図書館が「ひなぎく」を公開

国立国会図書館と総務省は,東日本大震災に関する映像や写真,ウェブサイト等のデジタルデータ,文献情報などを包括的に検索できる「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ」(愛称:ひなぎく)を正式公開した。企業や自治体,大学,新聞社などが公開している震災関連情報をまとめて検索できるほか,NHKや民放のつくる震災アーカイブのテレビ映像もリンク先で視聴できる。国立国会図書館では震災の記録や教訓を次世代に伝えるとともに「ひなぎく」を復興事業や今後の防災,減災に役立ててほしいとしている。

3.13 ネット選挙運動解禁へ公職選挙法改正案提出

自民党・日本維新の会・公明党の3党は,インターネットを利用した選挙運動を解禁する公職選挙法の改正案を衆議院に共同で提出した。改正案ではホームページに加えてツイッターやフェイスブックなどのSNSを利用した選挙活動を全面的に解禁するとしている。また,民主党とみんなの党もこれに先立って別の改正案を1日に提出しており,今後の国会審議の中で調整が図られる見通し。

3.18 IPA 「スマートテレビの脆弱性検出に関するレポート」を公開

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がスマートテレビ4機種で調査したところ,合計10件の脆弱性が検出されたとして,製品開発における脆弱性低減のための対策,課題等をまとめたレポートを公開した。

3.19 ジャパン・コンテンツローカライズ&プロモーション支援助成金の募集始まる

海外での日本ブーム創出に向けて,2012年度補正予算で措置されたコンテンツ海外展開等促進基金の設置法人「NPO法人映像産業振興機構」(3月14日設置法人に採択)が支援助成金の募集を開始した。支援対象は,海外展開に要する現地語翻訳等ローカライズの費用およびプロモーション費用。

3.21 V-Lowマルチメディア放送民放連全社での移行を断念

民放連は,ラジオ委員会による「V-Lowマルチメディア放送に関する検討結果」を理事会で承認し,同日総務省に提出した。今後は全社一斉参入を模索せず,個別に参入を目指す社,AMの難聴解消対策としてFM活用を希望する社が両立する制度整備を求めていくという。総務省は3月末から4月にかけ,既存ラジオ事業者以外も含めたV-Lowマルチメディア放送にかかわる参入希望調査とラジオの強靭化に関する調査の2つの調査を行い,今後の制度整備を検討していく。

3.29 IPTVフォーラム 放送通信連携サービスの技術仕様公開 名称はハイブリッドキャスト

テレビ放送とウェブが連携したアプリケーションやコンテンツの開発を実現するため,IPTVフォーラムは共通規格となる技術仕様を一般公開した。また,これらの仕様に対応する機器が認知されるよう,技術名称についてはハイブリッドキャストと定めた。