放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米“チューンイン”,聴取者4,000万人超

インターネットで世界中のラジオを楽しむことができるサービスを提供するチューンインは8月6日,同サービスの利用者が世界で月間4,000万人を超えたと発表した。カリフォルニアに本拠を構えるチューンインは,パソコンや携帯端末,ネット接続テレビなどで世界の7万以上のラジオ局の放送を聞くことができるサービスを提供している。同社の発表によると,2011年には携帯端末を利用した聴取者が1年間で268%増加したという。

米メディア志望学生の2011年就職状況,わずかに改善

ピュー・リサーチ・センターは8月9日,ジョージア大学と共同で,ジャーナリズムやコミュニケーションを専攻する学生の2011年の就職状況の調査結果を発表した。それによると,62%の学生がフルタイムの職につき,10年の58%,09年の55%よりは改善したが,07年の70%のレベルには戻っていない。また,男子学生の61%に対して,女子学生の就職率が69%と高くなっている。給与の平均額も前年より上がっており,同センターでは“最悪(terrible)”の時期は脱したが,依然としてメディア専攻学生の厳しい就職状況は続くとみている。

米大統領候補者討論会の司会が決定

11月の大統領選挙を前に,民主・共和両党の候補者によるディベートの司会者4人が8月13日に発表された。CPD(大統領選挙ディベート委員会)の発表によると,PBSのベテラン,ジム・レーラー氏が10月3日の大統領候補者同士の1回目を,ABCで国際問題を担当するマーサ・ラディッツ記者が10月11日の副大統領候補者の討論会を,CNNの政治担当キャンディ・クローリー記者が10月16日に行われるタウン・ミーティング型の大統領候補者のディベートを,そしてCBSのボブ・シーファーワシントン支局長が10月22日に大統領候補者の3回目の討論会をそれぞれ担当する。男女2人ずつだが,今回はアフリカ系やヒスパニック系のジャーナリストは含まれていない。

米ABC,人気トークショーを夜11:35からに変更

ABC放送は,現在平日の深夜0時から放送している人気トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ』を,2013年1月から25分繰り上げて放送することを8月14日に明らかにした。これにより,NBCのジェイ・リノ氏司会の『トゥナイト・ショー』,CBSのデビッド・レターマン氏司会の『レイト・ショー』と同じ時間帯となり,3大ネットワークの夜のトーク番組が正面からぶつかることになる。32年間にわたりこの時間に放送されていたABCの報道番組『ナイトライン』は1 時間遅れの深夜0時35分開始となる。ABCは若手のキンメル氏を投入することで,若年層の視聴者を取り込む狙いがあるとみられている。

エクアドル,ウィキリークス代表の政治亡命認める

エクアドル政府は8月16日,告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ氏に政治亡命を認めたと発表した。同氏は,6月からロンドンのエクアドル大使館に身柄を保護されていた。アメリカの外交文書の暴露などで話題となったアサンジ氏は,女性への性的暴行容疑でスウェーデン当局から手配され,滞在中の英国からスウェーデンへの身柄の引き渡しが決まっていた。エクアドル政府が亡命を認めたのは,アサンジ氏がスウェーデンに引き渡された場合,米国への再移送などにより人権が脅かされる可能性があると配慮したためとみられている。イギリスやスウェーデンはエクアドルの決定に強く反発している。

米アップル時価総額,史上最高を記録

アメリカの株式市場で8月20日,アップル社の時価総額が一時6,235億ドル(約49兆5,000億円)となり,世界の企業で史上最高額となった。新型のスマートフォンやタブレット型端末の発売が近く発表されるのではないかとする観測などから,同社株を買う動きが高まったとみられている。従来の最高は1999年のマイクロソフト社の6,205億ドルだった。