放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2012年6月

6.1 フジ,関テレへの出資比率増やす持分法適用関連会社へ

フジ・メディア・ホールディングスが,系列の準キー局・関西テレビの株式を追加取得すると発表した。同社の関西テレビへの出資比率は20.35%となり,関西テレビはフジの連結財務諸表上の持分法適用関連会社となる。関西テレビの経営に関するフジの影響力が強化される。

6.7 国立国会図書館の番組録画日本映像ソフト協会が慎重な検討要請

国立国会図書館が文化的資産として放送番組を蓄積し利用できるようにするため,国立国会図書館が受信した放送を直接,録画・保存できるよう国立国会図書館法を一部改正しようとする動きに対して,日本映像ソフト協会が,表現の自由を含む憲法上の権利に関わる問題であり,慎重な検討が必要である,などの意見を公表した。

6.12 受信料未払い者30人 NHKが強制執行申し立て

NHKが受信料未払い者のうち,裁判所による支払督促や判決等が確定したにもかかわらず,受信料を支払わない19都道県・30人に対して,強制執行の申立書を裁判所に送付したと発表した。

6.12 公取委,JASRACの使用料包括徴収 他業者の活動排除の証拠ないと審決

日本音楽著作権協会(JASRAC)が放送事業者との間で楽曲の使用料を包括徴収している問題で,公正取引委員会は2009年2月に他事業者の活動を排除しており独禁法に違反するとし,排除措置命令を出した。これに対してJASRACが審判請求をしていたが,公取委は他事業者の活動を排除した証拠はなく,独禁法に違反する事実はないと審決した。公取委は3年前の判断を覆した。

6.14 ロンドンオリンピック 民放テレビ放送の概要を発表

民放連が,ロンドンオリンピックの民放テレビの主要な中継種目の局別の放送日などを公表した。また,民放テレビ132社で共同公式動画サイトを立ち上げ,2,000本以上の競技ハイライト動画などをインターネットでも配信する。

6.19 不正B-CAS,京都府警が摘発

京都府警が,不正B-CASカードを利用して有料テレビを無料で視聴する事件の摘発に乗り出し,不正カード作成容疑とカード改変プログラムの提供容疑で2人を逮捕した。不正B-CASカードがインターネットを通じて広まっているとの情報があり,有料テレビ会社でも事態を憂慮していた。

6.21 NHK11年度決算,223億円の黒字

NHKが2011年度の決算を公表した。受信料収入が前年度より127億円増えて6,725億円になるなど事業収入が予算に比して69億円増の6,997億円,一方事業支出は予算より114億円節減して6,773億円で,223億円余の黒字となった。

6.21 視聴者視点によるNHK評価 3年間評価総括,期待度全体的に低下

外部有識者による「視聴者視点によるNHK評価」の11年度報告書が公表された。最終年度の今回は3年間の評価総括が行われた。「放送の信頼性」評価は高いものの伸び悩み,「経営の信頼性」評価は必要水準以下で改善に一層の努力が必要とされた。また,NHKに対する視聴者の期待度と実現度の総合平均値は,この3年間で低下傾向にあると指摘した。

6.22 住商,テレビ通販子会社株の50% アメリカのファンドに譲渡

住友商事は,子会社であるジュピターショップチャンネル(JSC)の株式の50%をアメリカのファンド・ベインキャピタルグループが日本に設立する会社に売却した。海外展開の強化をはかることなどが狙いという。JSCは国内のテレビ通販市場で約3割のシェアを持つ最大の事業者である。