英BBC,経費削減計画を承認
イギリスの公共放送BBCを監督するBBCトラストは,BBCが2011年秋に公表した今後5年間に2,000人の人員削減やサービスの見直しを含む経費削減計画「質の優先(Delivering Quality First)」について,一部修正し5月16日,承認した。「質の優先」は,政府による受信許可料の2016年までの据え置き決定を受けてBBC執行部が策定したもので,公表後各界からの意見聴取が行われ,ローカルラジオの予算削減を1,500万ポンドから800万ポンドに縮小するなどの修正が行われた。
英Ofcom,地上商業テレビ免許のあり方を提案
2014年末に免許更新を控えたイギリスの地上商業テレビチャンネル免許について,放送と通信を規制監督するOfcom(Office of Communications)は5月23日,政府に対し3つの選択肢を提示した。1つは,現行のチャンネル3(ITV,STV,UTV)とチャンネル5の各免許保有者が,商業財源による公共サービス放送義務の履行は可能であるという見通しから,2015年から10年間の免許の更新を行う。2つめは,入札を行い新規参入の機会を設ける。3つめは,現行の免許を短期間延長し,公共サービス放送の将来像を検討するというもの。
英Ofcom事務局長,BBC会長職に応募
イギリスの放送と通信分野を規制監督するOfcom(Office of Communications) は5月28日,Ofcomの事務局長を務めるエド・リチャーズ氏がBBC会長職公募に応じたことを公式に認めた。リチャーズ氏は1990年代にBBCの戦略立案部門に勤め,その後,労働党のトニー・ブレア元首相のメディア政策顧問として,2003年放送通信法の草案作りに携わった。
仏,携帯テレビ放送計画中止に
フランスの独立規制機関CSAは5月15日,新方式によるフランス全土での携帯端末向けテレビサービスを断念すると発表した。CSAは2010年4月に3つの公共放送チャンネルを含む,合わせて16のチャンネルに対してDVB-H方式による携帯端末向け放送の免許を付与した。しかし事業者側は,ネットワーク建設やコンテンツ提供のコストに見合う経済モデルが構築できないとして,この2年間環境整備が進まず,免許を返上させた。空いた帯域の一部は,新規の地上デジタルチャンネルの高画質化に振り向けられる。
独公共放送,ロンドン五輪でネット中継に力
ドイツの公共放送ARDとZDFは5月10日,ロンドン五輪の放送計画を発表した。ARDとZDFはこれまで通り1日交代でテレビ中継するほか,ウェブサイト上で6チャンネルのライブストリーミング配信も提供する。大会終了までのネット配信時間は合計約900時間になる。各ストリーミングは同時に視聴でき,一時停止や巻き戻しなどの機能もあるほか,HbbTV対応のテレビでも視聴できる。この計画に対し,ドイツの商業放送連盟(VPRT)は,放送法に定められた手続きで適切に審査されたものではないとして強く批判している。
独,衛星アナログ放送終了
ドイツの公共放送と商業放送は,4月30日午前3時に一斉に衛星アナログ放送を終了した。放送終了については2009年末に公共放送と商業放送が合意し,周知活動を行ってきた。ドイツは衛星放送が広く普及しており,2011年末には約1,754万世帯が衛星放送を視聴していたが,そのうち177万世帯がまだアナログ視聴だった。
伊AGCOM,特別指定行事のリストを改定
イタリアの放送・通信分野の独立規制機関AGCOMは,無料放送が義務づけられる「特別指定行事」のリストを1999年以来の改定をし,5月21日にサイト上で公開した。これはEUの欧州委員会が加盟国に対し,国民的な関心が高い重要行事を放送事業者が無料で放送することを義務づけるもので,各国では主に夏季オリンピックやW 杯サッカーなどのスポーツイベントが指定されている。今回の改定では,ミラノ・スカラ座のオペラシーズン開幕公演やベネツィア・フェニーチェ座のニューイヤーコンサートなど,スポーツ以外の行事も新たに追加され,合計で15行事となった。同リストは今秋9月1日に発効する。