放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

英BBC,後任会長の公募始まる

秋に退任予定のBBCのマーク・トンプソン会長の後任候補について,監督機関のBBCトラストは4月11日,公募を開始した。トラストでは,条件として「BBCの公共的価値を理解していること」「創造性や変革を主導できるリーダーシップがあること」など12項目を挙げている。また,ネットなど新しいプラットフォームの知識や国際的な事業展開の経験があることが望ましいとしている。応募の締め切りは5月7日。なお,BBCの会長公募制は,2000年に就任したグレッグ・ダイク氏の選考で初めて導入された。

英ロンドン,アナログ放送終了

イギリスの首都ロンドンで,4月18日にアナログ放送が終了した。終了作業は,公共放送BBCのBBC TWOのアナログ放送が4日に送信を止め,18日にはBBCおよび商業テレビのすべてのアナログ放送が終了した。この日の夜,ロンドン南部にある送信所のクリスタル・パレスでは,デジタル移行のセレモニーを行った。ロンドン地域のテレビ視聴者は1,200万人以上いるとされるが,ほとんどの人がアナログ放送終了までにデジタルテレビ受信機を備えており,混乱なく終了した。なお,イギリスの完全デジタル移行日は10月24日に予定されている。

仏,地デジチャンネル買収に詳細尋問

Canal+社による地上デジタル2チャンネルの買収についてフランスの競争監視機関は4月17日,詳細尋問を開始すると発表した。Canal+社は2011年9月,地上デジタル無料チャンネルのDirect8とDirect Starの経営権を獲得したと発表し,12月には買収の許可を求める通知書を競争監視機関に送致した。この文書の審査と他の放送事業者への聴聞を行った競争監視機関は「市場での競争力ある立場を利用して公正な競争を妨害した重大なおそれがある」としてCanal+社に対して詳細尋問の手続きを開始すると通知した。この買収は有料放送最大手のCanal+社が地上放送の完全地デジ化を契機に,広告収入で運営する無料テレビの市場にも参入する意欲を示したものとして注目されている。

独公共放送,サッカー・ブンデスリーガ放送権確保

ドイツサッカーリーグ(DFL)は4月17日,ブンデスリーガ第1部と第2部の2013/14年以降4シーズンの放送権販売結果を発表した。有料放送のSky Deutschlandは,テレビ,IPTV,インターネット,携帯端末といったすべての伝送路によるライブ放送権を獲得した。公共放送のARDとZDFは,従来通りハイライト放送権を獲得した。また今回新設されたインターネットと携帯端末向けの有料クリップ動画配信権は,大手新聞出版のAxel Springer社が獲得した。特にライブ放送権の入札でSky Deutschlandとドイツテレコムが激しく争った結果,DFLの放送権収入は年間平均6億2,800万ユーロ(約666億円)となり,過去最高となった。

伊政府,地上デジタル周波数割り当てに競争入札制を導入

イタリア政府は,4月16日,デジタル移行後に空く周波数をデジタル放送事業者に「競争入札方式」で割り当てる方針を固め,関連法案を閣議承認した。これは,2011年秋に前ベルルスコーニ政権のもとで「比較審査方式」により合計6つの多重周波数帯を割り当てる予定だった計画で,新モンティ内閣が見直しを検討するため,2012年1月下旬から凍結していた。新政権は財政再建に取り組む中,国庫に財源をもたらす競争入札方式を望んだ。政府は初回入札を120日以内に実施するとしており,独立規制機関AGCOMが対象帯域や入札資格などの詳細な条件を決定した後,8月下旬頃に公示されるとみられる。

伊政府,2015年からDVB-T2・MPEG4の採用を義務化

イタリア政府は,ひっ迫する無線ブロードバンドの需要に対応し,無線周波数の効率的な利用を促進するため,地上デジタルテレビでDVB-T2およびMPEG4の次世代規格を採用することを決定した。そのため,国内のテレビ製造事業者に対し,新規格に対応しないチューナーを搭載するテレビの 製造は2014年12月末をもって終了,同テレビの流通は2015年6月末をもって終了させることを義務付けた。