放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米NPRの新会長にゲイリー・ネル氏

アメリカの公共ラジオNPRは10月2日,不在となっていたCEO兼会長に,セサミワークショップCEOのゲイリー・ネル氏が就任すると発表した。ネル氏は,非営利メディアへの関わりが深く,ニューヨークの公共放送局WNET副社長などのほか,人気番組『Sesame Street』を制作するセサミワークショップのトップを11年務めた。NPRでは前任者のシラー会長のもと,積極的にデジタル展開を進めていたが,共和党やティーパーティー関係者を批判している幹部職員の隠し撮り映像が暴露されるなどの不祥事が相次ぎ,シラー会長は3月に辞任していた。ネル氏は12月1日付けで就任する。

米ABCニュースがYahooと報道協定を締結

ABCニュースは10月3日, 検索大手のYahoo!と報道協定を結び,インターネットを通じた報道を戦略的に強化していくと発表した。それによると,ABCの取材したニュースがYahoo!ニュースの主要なニュース源となり,両社合わせて1億人以上の利用者にコンテンツが届くことになる。手始めとして,共同で立ち上げた新しいサイトに,朝のニュース番組Good Morning AmericaのG.ステファノポロス氏によるオバマ大統領のインタビューが独占映像としてネット限定で配信された。このほかにも,国際ニュースやハイテク関連ニュースなどで共同サイトを運営していくことになっている。

米アップル社元CEO,スティーブ・ジョブズ氏死去

アップル社の共同創設者で,今年の8月に健康問題から同社のCEOを辞任したスティーブ・ジョブズ氏が10月5日,死去した。56歳だった。1970年代のマッキントッシュパソコンの開発に始まり,iPodやiPhone,iPadなど革新的な製品を次々と発表してアップル社を世界最大規模の企業に成長させた同氏の死は,世界的に大きな衝撃をもって受け止められ,アメリカのオバマ大統領は「人類史上まれに見る偉業を成し遂げた」とジョブズ氏の功績を讃えた。

動画配信のNetflix,契約者数減少

インターネットによる映画などの動画配信で急成長を遂げてきたアメリカのNetflixが,今年の7月から9月の第3四半期で契約者数を80万人以上減らした。10月24日,同社が四半期収益報告で明らかにした。契約者が減ったのは,7月に発表したインターネット配信事業とDVDレンタル事業との分離計画と,それにともなう料金値上げが消費者から敬遠されたためと見られている。事業分離計画については,同社は10月になって計画の撤廃を発表した。Netflixは,アメリカ,カナダに続いて中南米でも事業を開始しており,来年初めにはイギリスやアイルランドにも進出することになっている。

ブラジル,公共放送EBCの会長交代へ

ブラジルの公共放送機関でテレビ,ラジオの他,ニュース配信事業も行うEBC(ブラジルコミュニケーション会社)の会長が10月28日の任期満了をもって交替することになった。EBCは,2007年に設立された公共放送機関で,ブラジルの有力紙オ・グローボのコラムニストであったテレーザ・クルヴィネル氏が初代の会長となった。クルヴィネル氏本人および連邦政府のルセフ大統領も留任を希望していたと伝えられるが,氏の独断的な経営手法に対し理事会などで反発が強まっていた。EBCの会長は大統領が指名するが,後任には,EBCの現マルチメディア局長のネルソン・ブレヴェ氏が就任する。

米NBCニュースが新しい報道番組を開始

NBCは10月31日,夜10時から生放送の新しいニュースマガジン番組『Rock Center』を開始した。司会には,夕方のニュース番組『Nightly News』の看板アンカー,ブライアン・ウィリアムズ氏を起用し,移民や中東情勢,失業問題などのハードなテーマを正面から取り上げる。NBCは4大ネットワークの中でも視聴率低迷が続き,新しい報道番組はプライムタイムでの視聴者増加を目指している。ABCの『Nightline』で長年アンカーを務めたテッド・コペル氏の復帰も話題のひとつとなっている。